以下の文章は、北岡泰典のメルマガ「旧編 これが本物の NLP だ!」第 1 号 (2003.10.26 刊) からの抜粋引用です。

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NLP (北岡が 1988 年から研究、実践、講義してきている「神経言語プログラミング」) についてのユニークな北岡式定義を 3 つ提案したいと思います。

  1. 「NLP はコミュニケーション心理学である」

人間コミュニケーションには、対人 (「Inter-personal」) コミュニケーションと自分との内面的 (「Intra-personal」) コミュニケーションの 2 種類があります。 通常、コミュニケーションといえば、「対人コミュニケーション」としてのみ理解される傾向がありますが、人間はほとんど 24 時間自分自身との対話(頭の中で繰り返される独り言) を止めることができない事実を考慮すれば、「内面的コミュニケーション」も非常に重要視されるべきことは明らかです。幸い、NLP は、対人コミュニケーションと内面的コミュニケーションの両方において、自分のコミュニケーション技能を高め、改善するための非常に効果的な方法論であることが証明されてきています。

  1. 「NLP は実用心理学である」

通常、たとえばビジネス界では、実際の職場での即時的な変化をもたらすような実用的な方法論が求められる傾向がありますが、NLP の各テクニックは、非常に即効的な効果を発揮します。また、実用主義の傾向の強い米国生まれの NLPは、たとえばフロイトの精神分析が自分の過去に問題の原因を探ろうとする場合のような認知論的アプローチとはまったく正反対に、実際に現実にどれだけ短時間でどのような行動の変化が生み出されるかにだけ興味をもち、焦点をあわせる実用主義的アプローチです。その意味では、NLP は日本のビジネス界でも即効的効果を発揮できる方法論として大いに歓迎される可能性があると私は考えています。ちなみに、最近日本のビジネス界でも非常にポピュラーになっているコーチングの基になった方法論が NLP であると聞いてかなり驚かれるビジネスマンの方も多くいられるのではないでしょうか? (あるプロのコーチの日本人女性は最近、私に「コーチングを学んでも NLP すべてを知ることにはならないが、NLP を学ぶとコーチングのすべてがわかるので、NLP を本格的に学びたい」と明言されました。)

  1. 「NLP はコンテント フリー方法論である」

NLP は、人間コミュニケーションの法則を、学習可能な一式の明快なツールとして提示していますが、これらの法則は、数学の公式、語学の構文のようなものです。NLP を学ぶ人々は、これらの「コミュニケーションの公式」の中に自分の問題の「詳細」を入れるだけで、自分が求める答え (行動上の変化) を得ることができるようになっています。この公式にはどのような詳細を入れてもいいので、NLP はコンテント フリー (内容とは無関係) と形容されます。 このため、NLP実践者は学習を飛躍的に加速化することができます。現在、NLP トレーナーは、クライアントがその問題の詳細を話し始めると、「すみません、そのように問題について詳細に語ると、必要な (公式の) 手順を進められないので、黙っていてください」と言うほどにまでなっていて、「人前で自分の秘密を喋る」精神分析以降のセラピーに対して極度の抵抗感をもっている日本人にとって、NLP は「初めて受け入れられるセラピー」と言えるかもしれません。なお、大人になった後の「生涯教育」の学習に関して、大人は子供のように試行錯誤から公式を見つける帰納法的アプローチを取ることはできないので、このようにまず公式を学ぶ演繹法的アプローチの NLP が非常に効果的な方法論であることも忘れてはなりません。

以上の私の 3 つの NLP の定義から、NLP が日本人にも容易に受け入れられることのできる実用的ツールであることが判明することを願って止みません。

作成 2023/9/28