以下の文章は、北岡泰典のメルマガ「新編 新・これが本物の NLP だ!」第 115 号 (2017.7.10 刊) からの抜粋引用です。

* * * * * * *

今回は、新編第 115 号です。今回は、以下のトピックがカバーされています。

1.北岡エッセイその七:『Homo Deus (神としての人類: 未来の歴史概観)』書評

/////////////////////////////

1.北岡エッセイその七:『Homo Deus (神としての人類: 未来の歴史概観)』書評

先号のメルマガでは、世界的にベストセラーになっている「とんでもない人類の歴史書」である、ユヴァル ノア ハラリ著『サピエンス全史: 文明の構造と人類の幸福』の私の書評に関する情報を発信させていただきました。

私の『サピエンス』書評には、「『人類が神になる過程』を著した、ハラリ氏の続編の『Homo Deus: A Brief History of Tomorrow (神としての人類: 未来の歴史概観)』が、いったいどういう展開になるのか、今からワクワクしています」とありますが、このハラリ氏の続編『Homo Deus』 (翻訳は未刊行) を英語で読了したので、新たにこの歴史書の書評を書いてみました。以下にアップしましたので、読んでいただけたらと思いました。

https://www.office-kitaoka.co.jp/office-kitaoka/kitaokataiten/new_glossary/archives/essay_07.htm

(英語版の『Homo Deus』の初版は、2016 年 9 月に英国で刊行されているので、時期的に、もうすでに翻訳版が出版されていてもおかしくないと思いますが、『サピエンス』が現時点で国内でもけっこう (?) 売れているので、続編の翻訳本の出版が意図的に遅らされているのでは、という私の見方は、うがりすぎているでしょうか (笑)。あるいは、もしかしたら、続編は、正編以上に「ぶっ飛びすぎている」ので、国内では翻訳しても売れないと思われているのかもしれません (笑)。)

正編の『サピエンス』と同じく 500 ページ超の大著の『Homo Deus』では、「生命体はアルゴリズムである」という、極めて挑発的で、今後おそらく歴史に残るであろう格言が提唱されています。

ハラリ氏は、今後、人間はどんどんコンピュータ アルゴリズムに取って代わられていくと予想しています。外部アルゴリズムは、個人のことについて、本人以上に本人のことを知っているので (実は、Amazon や Facebook では、顧客が意図せずに個人データをアルゴリズムに提供することで、自分が読みたくなる本や知りたいと思うようになるような情報が自動表示されることで、すでにこのことが実際に起こっています!)、今後、アルゴリズムを使う側の体制は、独自の個人ではなく、集合的な人間に価値を見い出すようになって、新しい超人 (これが『Homo Deus (神としての人類)』です) のエリート層が「非選民」を支配していくだろう、とも予想されています。

ハラリ氏が『Homo Deus』を書いた理由は、人間は過去の歴史を学んだ上で未来の歴史を作り出すことができるので、「私の人類の未来の歴史予想はこういうものですが、さて、読者の皆さんは、その予想をもとにどうされますか?」という、個人的責任に基づいた判断を求めていることにありますが、私の書評では、「神としての人類」の時代が訪れたとき、「生命体アルゴリズム」によって日本人が「非選民」として抹殺されないようにするためには、今からどうすればいいか、についての私自身の提案をさせていただいています。

なお、「とんでもない人類の歴史書を読んだ。頭の中の思考形態が革命的に変わった」ということで、『サピエンス』を読むように、私に勧めていただいた知人に、今回の『Homo Deus』の私の書評の草稿を読んでもらいましたが、「読みました~。バケモンですね。ハラリさんも、北岡さんも」という感想をいただきました (笑)。

作成 2023/2/23