以下の文章は、北岡泰典のメルマガ「新編 新・これが本物の NLP だ!」第 24 号 (2014.4.28 刊) からの抜粋引用です。

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今回は、以下のトピックがカバーされています。

1.卓越したプリゼンターとは?

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1.卓越したプリゼンターとは?

個人的なことになりますが、興味深いことが起こったのですが、「卓越したプリゼンターとは?」の観点から、本紙面でシェアリングしたいと思いました。

最近、私は、NLP インテグラル アソシエーションのコース認定者の方々に、「ブラッシュアップ」学習教材として、クローズドで、ある DVD 教材の廉価販売をオファーさせていただいたのですが、一定数以上の方から「ライブと DVD には大きな違いがある」という理由で、購入の意図がない旨を告げられました。

もちろん、購入を強いる意図はいっさい私の側にはないのですが、これらの反応は、非常に興味深いと思った次第です。

私自身、講義中、すべての私の講義内容は、同時進行的な参加者の反応にリアルタイムで対応している、と口酸っぱく示唆してきていますので、もしかしたら、これらの反応は、私の普段の「教育」のおかげかと思われます (笑)。

ただ、一方で、私が 1988 年、1989 年にカリフォルニア州サンタ クルーズでジョン グリンダーのプラクティショナー & マスター プラクティショナー コースを受講した際、講義修了時にオーディオ テープの講義録音教材を販売されていましたし (今であれば、DVD 教材となるかと思われます)、2001 年にサンタ クルーズでロバート ディルツとジュディス ディロージャ主催のトレーナーズ トレーニング コースを受講した際も、私は DVD 教材を購入しました。記憶が定かでないですが、1995 年にドイツのミュンヘンでのリチャード バンドラーのトレーナーズ トレーニング コース受講時も、たしか、オーディオ教材が販売されていたかと思います (少なくとも、バンドラーのワーク DVD は、数多く市販化されてきています)。

ということで、NLP 初心者もしくは私の講義スタイルをまったく知らない NLP ピアならともかく、一定時間以上私の講義を受講している方もしくは一定以上のプリゼン能力を備えている NLP ピアであれば、DVD であれば、特に、私の左脳的な諸モデルの解説内容とデモ演習を何度でも繰り返して再学習できるので、リアルと同じ程度以上の学習効果はあると、個人的に思っているところです。

このことについては、認定コース参加者のお一人から、以下のようなコメントをいただいています。

「北岡先生の場合は、ナマの講義が一番なのは、私のまわりの方々の共通の意見です。

ただ、私としましては、自分が参加した講義だからこそ、ライブの感覚を再現&再確認&上書きするのにちょうどいいかも、という感じでいます。

講義中はライブの記憶をとりあえず保存のために『インスタントラーメン』化してインストールして、そこに DVD のお湯を入れて記憶を復活させるイメージですね。

みるみる変わっていった皆様方が、今となっては面白く見えるのではないかな、と。

無意識の深い層の変容は、意識の方では、キレイさっぱり忘れてしまいますからね。」

ちなみに、私の講義スタイルを知らない方々でも、現在、私が認定コースを開講していない意味から言っても、私の講義を収録した DVD 教材から多くのことを学んでいただけるものと考えています。

たとえば、左脳的解説、右脳的なデモ演習を問わず、「SRCF/C (状態管理、ラポール、観察力、柔軟性、首尾一貫性)」の徹底、「パターン中断」、「ネスティッド ループ」、「比喩」、「瞬間催眠」、「後催眠暗示」、「多重記述」、「リフレーミング」、「アンカーリング」、「無意識マーキング」、「活用」、「パラフレージング」、「ハイパーラポール」、「集団ラポールの取り方」、「難しい生徒の相手のし方」、「同時多重プロセッシング」、その他の NLP 技法が実際の場で実践されているのですが、これらの分析は、私の意見では、DVD 教材を通じての方が (何度も見れるので) 深い学びに繋がるのでは、と考えているところです。

言い換えれば、たしかに、講義もしくはデモ演習のある時点において、「いくつもある選択肢からある一つをどのように選択するか」についての「モデリング」に関しては、私のリアルタイムでのワーク参加者への反応を体感する必要があるので、私のリアルな講義に実際に参加する必要がありますが、それ以前の話である「数ある選択肢としての各テクニックの習得と無意識化 (「チャンク化」)」については、「リアル」な講義よりも、「死んだ」 DVD 教材の方が (誤解を恐れずに言うと) より適切な手段になる、と結論づけてもよろしいかと思います (実は、私の講義の妙技は、「いかに『死んだテクニック』を実際のセッションの場で『ライブ化』できるか、にある」と言ってもいいくらいです)。

ちなみに、私は、幼児期に脳性麻痺にかかり、5 歳と 10 歳のときの施設収容時のトラウマ体験から、青年時には、(コンプレックスだらけで) 人前でプリゼンすることなど思いもよらなかったのですが、NLP による自己変革を通じて、日本に帰国した 2001 年から今まで、人前で、他人の視線をいっさい感じないまま、「へらへら」と講義できるようになっています (二、三十年前の私にとっては、ほぼ奇跡的なことですが)。

ということで、自分自身の講義の収録ビデオを見ても、まったく普通に、まるで他の人を見ているように見れるのですが、このことに関して、最近、ある方 (元トップ コンサルタントの方です) から、「一人前のプリゼンターの見分け方」を教えられたので、以下に記したいと思いました。

(この情報は、私は、奥義的に扱うべきかとも思いましたが、私のコース認定者および本メルマガ読者の方々にも「卓越したプリゼンター」になってほしいという強い思いから、情報公開することにいたしました。)

この方によれば、まず第一に、あるプリゼンターに、「あなたのプリゼンをビデオで撮影してもよろしいですか?」と言ったとき、顔に少しでも緊張感が走った場合は、このプリゼンターはまだ本物ではない、ということです。

(仮に、このときの顔の緊張が、プリゼンター自身の自信の問題ではなく、他の理由からだったとして) 第二に、同意の上で撮影されたビデオをこのプリゼンターと一緒に視聴していて、本人自身が写っている場面で、プリゼンターの顔に緊張が走ったことが周辺視野で見て取れた場合も、このプリゼンターはまだ本物のレベルではない、ということです。

私は、この方の判断基準に 100% 同意することができます。読者の皆様も、この情報を参考にしていただけたら幸甚です。

作成 2022/11/24