以下の文章は、北岡泰典のメルマガ「新編 新・これが本物の NLP だ!」第 3 号 (2013.4.15 刊) からの抜粋引用です。

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現在、本メルマガは「新フェーズ」に入っていて、新編第一号、第二号では、哲学的命題に対する NLP 考察がなされましたが、本号では、視点を変えて、「北岡比較文化考」を発信してみたいと思います。

北岡は、1981 年から 2001 年まで海外に滞在して、英国には通算 16 年間いましたが、その間、日本にいたら、絶対見えないような海外および国内の文化的側面を数多く目にしてきました。

これらの経験は、場合によっては、日本人の方々にも役立つこともあると思っていますので、「北岡比較文化考」というシリーズ名で、「比較文化人類学」および「異文化コミュニケーション」の観点から、さまざまなトピックについて不定期的に語ってみようと思いました。

今回のトピックは、「KDDI の理不尽な決定?」についてです。

なお、私が、こと NLP に関しては、国内の市場に対して、いわゆる「顧客至上主義」よりも、むしろ「啓蒙主義」の立場を首尾一貫して貫いてきていた裏には、本号に書かれているような「『たまたま』生まれた自分自身の母国を『超越』するような、世界的な、相対的な視点」に基づいていたことを指摘するのは、興味深いことです。

今回は、以下のトピックがカバーされています。

1.北岡比較文化考、その一/KDDI の理不尽な決定?

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1.北岡比較文化考、その一/KDDI の理不尽な決定?

最近、KDDI 関連の出来事で、「驚愕」したことがありました。

このことについては、一部、Facebook のウォールでも発言させていただきましたが、引き続き、ある、クローズドの Facebook グループ (「知行会」) でもコメントを継続させていただきました。

今回、一連の私のコメントを、本号に編集引用させていただきたいと思いました。

* * * * 引用開始 * * * *

昨日 (4/10)、KDDI から来た請求書に、今後、窓口支払いには 1 請求当り 105 円を請求するという通知書が入っていました。

私は、過去、英国に 16 年住んでいて、多くの会社が顧客に口座自動引き落としを勧める動きは逆らえない形でありましたが、このように「従来の支払い方」に課金し始める公共の会社に出会ったことは英国では一社もありません。

私は、個人的には、間違いなく、英国では「プチ暴動」が起こるとは思うのですが、おとなしい国民の日本人は、このまま「泣き寝入り」してしまうのでしょうか?

実は、私は SNS のメディアは、様々な個人的な思いから、あまりを使わない傾向があるのですが、まさにこういう「社会問題」こそ、SNS で広く議論されるべきだと思いましたので、この問題をここで提起させていただいています。また、さきほど、同じ内容を Twitter でつぶやかせていただきました。

先ほど、私自身、自分が住んでいる区の「消費生活センター」に「クレーム」の電話をしてみましたが、担当の方も、自身も、偶然 KDDI を使っていて、彼女自身、この通知には戸惑っているが、「消費生活センター」としては何もできないでしょう、仮に正式なクレームを入れるとしたら、管轄庁の「電気通信消費者相談センター」になるでしょう、と言われました。

また、担当の方への「このような形で課金し始めた会社は国内で過去にありますか」という私の質問には、少なくも「ある」とはおっしゃいませんでした。

皆さん、どう思われますか? (「国外の常識」は、「国内」では通用しないのですかね。)

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私が一番問題としているのは、「顧客の既得権」です。

また、これも英国ではありえず、日本で普通に通用していることですが、銀行の ATM で、時間外に手数料が取られることも、私は、個人的には、ありえないと思っています。

本来は、銀行窓口の人的経費削減のために生まれた ATM で時間外手数料を取るのはどうかと思います。

時間外の現金の預けの際に手数料を取られたり、時間内でも両替をする際、手数料の方が両替の総額を上回ることがあるのらしいですが、こられに至っては、はるかに私の「世界地図」を超えています。

「平成の維新」が起こって、日本の再生を図るためにも、今回は、「プチ暴動」が起こってほしいですね。

この国内の皆様への問題提起は、私の「比較文化人類学」的、および「異文化コミュニケーション コンサルタンシー」の経験と観点から、強い思いのもと、させていただいていますが、もしよろしければ、この情報の拡散とシェアをお願いできたらと思います。

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この問題を提起させていただいた張本人の北岡ですが、これは、「高々」、最高月額 105 円の問題ですが、しかし、「市民の権利」とも関わっている根幹的な問題だと、個人的に思います。

別のコメンターの方が、私のウォールで残していただけたリンク

http://cs.kddi.com/support/tetsuzuki/kyotsu/shiharau.html

にも、窓口支払い課金のことは言及されていません。

皆様からお知恵を拝借して、「市民運動」を立ち上げないと、たぶん、他の会社も、「泣き寝入り」する日本人を見て、一気呵成に、国民の既得権を侵害し始める可能性もあるかと思います。

それだけの危機感を、私は個人的に感じています。

単なる「西洋かぶれ」の人間の単なる「根拠もない杞憂」で終わってくれれば、もちろん、それに越したことはないですが….

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「市民の権利」については、先にも書かせていただいたかもしれませんが、一度「泣き寝入り」の実績ができてしまうと、なし崩し的に「権利が浸食」されることもありえると思うところがあります。

英国では、「偉大な宰相だった」故サッチャー氏が「人頭税」を導入したとき (1990 年)、大規模な市民運動と暴動が起こり、この税が撤回された歴史がありますが、規模はまったく違うにしろ、市民の既得権を守る運動が日本でも起こってほしいと思います。そのような、「ちょっとしたこと」から日本人のメンタリティの改革が起こっていくのではないでしょうか。

国外のこともそれなりに知っている私にはそういうふうに思えます。

KDDI 創始者の稲盛さんなら、こういうことはされないだろうと思うのは、あまりにも穿りすぎた見方でしょうか?

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私は、経済には疎い方なので、おそらくずいぶん的外れのコメントをしていることには陳謝いたします。

ただ、「比較文化人類学」的なコメントを一つだけさせてください。

私は、英国滞在時代、貴族関係の通訳/コーディネートをしていて、ウィンストン チャーチルの親族の方とも直接の友人ですが、この方が共同所有されているお城がアイルランドにあり、この方と私が城内の湖の湖畔にいたとき、大量の鳥がある方向から別の方向に群れをなして飛んでいきました。そのとき、この方は「北岡さん、この鳥たちは、2,000 年前から、毎日同じ時刻に同じ方向に飛んでいるのですよ」とおっしゃられたときには、文字通り驚愕しました。

私は、英国は、革新的なものの中にも伝統を重んじる歴史があるのだということを改めて再認識したのですが、極めて「我田引水」的に言うと、私を含めた多くの顧客が好んでいる銀行窓口での支払いという「伝統的な慣習」をいとも簡単に「合理化された技術的新慣習」で置き換えてしまえる日本人のメンタリティを、「たかが 105 円」のこの問題の中に、「象徴的」に見てしまうのです。

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英国なら、銀行口座引き落とし、クレジットカードでの支払いに移行したとしても、小切手での支払い、窓口での現金での支払いに課金するような「顧客のニーズ」を頭から否定することはけっしてないだろうという強い思いで、問題提起させていただきました。「日本国内で通用する論理」があるのであれば、それはそれで、私がとやかく言うべき問題でもないかと思います。

要は、かりにもし、私がある国で不都合を感じるのであれば、その国を出る選択をすればいいだけのことでもありますので。

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「本来の我が国の姿は、英国のようなものだと思われます。」

には、同意できます。たぶん戦前の日本はそうだったのかもしれませんが、戦後 65 年間そうさせていない「マッカーサー体制の呪縛」は、まことにお見事としか言えません。

たかが 105 円では、英国を含む欧米では、もちろん暴動は起きないとは思いますが、少なくとも Twitter、Facebook 経由での「草の根市民運動」は広がるとは思いますが、それさえも、たぶん日本では起こらないような気がしてきています。

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「そうさせていない『マッカーサー体制の呪縛』

これなどどうぞ
http://blogs.yahoo.co.jp/umayado17/61001668.html

このリンク ページ読ませていただきました。興味深いです。

私自身は、学生時代、西海岸のカウンターカルチャーの洗練を受けていますので、いわば「アメリカびいき」のところもある一方で、このページにある「民族主義」も理解できます。

ただ、81 年に大卒と同時に国外に出て (サハラ砂漠イナメナス (最近日揮テロ事件があった場所です) にも滞在したことがあります)、2001 年に帰国しましたしが、60 万人のニートの存在と携帯、テレビ、ゲーム、漫画等に明け暮れている感のある「日本国民総白痴化」に近い状態を目の当たりにして、アメリカ本土を歴史上初めて攻撃した日本人 (二度目は 9.11 です) を「絶対に二度と立ち上がれない」ようにさせるために、ピカドンを二つ落とし、当用漢字を制定させて古文を読めないようにし (個人的には、毛沢東の漢字簡略化政策よりもひどいのでは、と最近思うようになってきています)、戦後英語教育を最悪化し、旧制高校を廃止して自由精神の場を潰し、大麻取締法を制定して神事の手段を非合法化した戦後 GHQ の狡猾な「日本人洗脳」体制は、見事に成功してきていることを指摘させていただきたかっただけです。

この中では、私が長年さまざまな変性意識の研究を通じて最終的に至りついた覚醒のための方法論 (NLP) も、国内では、完全曲解され、誰もその革命性に気づいていないようであるのは、しごく当然の帰結と言えます。

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最近、私は、台湾国籍の二世の方に会いましたが、日本の戦前の歴史は、国内では完全に歪んで教えられているとおっしゃっていました。

この方によれば、政府レベルではなく、民間レベルのアンケート調査によれば、北朝鮮の場合は不明だが、他のすべてのアジア圏の国々では、65% – 95% までの国民が親日派であるという結果が出ているということでした。

また、ある在日韓国人の方で、日本は、たとえば、西洋哲学を漢字で翻訳した歴史があり、このことに対して中国、台湾、韓国等の国は、日本に恩を感じていて、台湾、韓国の年長者の方々には真の親日派が多い、とおっしゃる方とも出会いました。

この韓国人の方は、「わびさび」の文化をもっている日本こそが今後世界を変えていく任務を負っている、ということでした。また、「日本人が一人でソウルの独立記念館に行けば、本当に肩身の狭い思いをするが、私と一緒に記念館に行って、私の日本語でのガイド説明を聞けば、日本と韓国とアメリカの本当の姿がわかります。そうなれば、韓国人が竹島のことを問題にしても、かわいくてかわいくてたまらなく見えるようになります」ともおっしゃいました。

以上の発言は、すべて公の場でされたのですが、韓国人の中で、同胞に狙われてもおかしくないような、非常に相対的な視点をもてる人がいることにはびっくりしました (実際、この方は、将来同胞に暗殺されることも覚悟している、ということでした)。

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たとえば、民族的な個人的主張は、個々それぞれどういう主張をしてもいいし、するべきかとはと思いますが、少なくとも、先に言及した韓国人のように、「たまたま」生まれた自分自身の母国を「超越」するような、世界的な、相対的な視点がもてる日本人が多く出てきたら、日本ももっといい方向に変わっていくのではないか、と思っています。

* * * * 引用終了 * * * *

以上、少しでも、「ボックスから外に出る」ことに役立つ情報になったら、幸甚です。

ちなみに、私の、このような SNS での発言によっても、おそらく何の「炎上」もおこらないように見受けられますし、KDDI の「理不尽な決定」も、おそらく「お上の裁き」的に、当然のように受け入られていくように思われます。

個人的には、きわめて危険な状況かとは思いますが、たった一人の人間がそう思っても、そのコミュニティの大多数のメンバーがそのように思わなければ、表面的には、何も起こらないのは、しごく当然なことです。

作成 2022/11/3